デザイナーには、そのブランドの本来あるイメージを尊重し、活かすタイプと、それまでのイメージを一新し、自分らしさを出してゆくタイプとがいます。
スペインのデザイナー”クリスティーナ・オルティス”は前者にあたり、携わったブランドの伝統とスタイルを重んじて従事してくれるデザイナ-です。
いくつもの国、ブランドを渡り歩き、そして大きな評価と名声を手にした彼女は、また多くのブランドから功績を称えられて今に至るのです。
クリスティーナの生まれは、スペインのカナリア諸島。
後に彼女は、自然の豊かな地方で育ったからこそ、広い視野とセンスを身につけることが出来たと語っています。
キャリアの下積みは、”プラダ”を始めとするいくつかのブランドで培われました。
“プラダ”では、女性としてレディースのデザイン、ディレクターなどを経験します。
1998年には、”ランバン”のクリエイティブディレクターに就任。
それから数年後の、2002年頃まで、同ブランドの飛躍に貢献しました。
“ランバン”は比較的、多くのデザイナーを起用するブランドですが、その分、ブランドイメージも重んじる厳しい習慣があるのです。
そんな中、4年間ここでディレクターを務めあげたクリスティーナの評価は、この時代辺りから高まってきたといえるでしょう。
その後、2006年にはスーツで有名な”ブリオーニ”のクリエイティブディレクターに就任します。
ブランドイメージに忠実な彼女は、映画の衣装などでも多用される”ブリオーニ”の上品なスーツスタイルをもとにしつつ、女性らしくシャープなライン、またシンプルさを追求してゆきました。
彼女はこのブランド時代に、ミラノコレクションの舞台を経験します。
ファッションにおいては世界をリードするイタリアでの一大舞台に上がったことで、クリスティーナの名もまた世界的なものとなったのです。
そしてその後は、”サルヴァトーレ・フェラガモ”で数年間、チーフデザイナーへ就任します。
クリスティーナ自身はとてもシャープな体型をしており、バスケットボールのスペイン代表にも選ばれたほどの活発な女性でした。
私生活では母親として、またファッション業界では勤勉で忠実なデザイナー・ディレクターとして、女性らしい人生を謳歌しています。
今、時代はプレタポルテが中心となっていますが、彼女が重んじるイメージとシンプルさこそ、より多くの人々に愛されるファッションの在り方なのかもしれません。
Image Credit: HONG KONG TATLER
https://hk.asiatatler.com/style/spread-her-wings-15-minutes-with-cristina-ortiz