“ボッテガ・ヴェネタ”は1966年、”ミケーレ・タッディ”と”レンツォ・ゼンジアーノ”の二人によって創業されました。
現在、世界にマーケットを展開するハイブランドとしては、歴史はとても浅く、また早いうちから名声を手にしたといわれています。
創業後、”レンツォ・ゼンジアーノ”はブランドを去り、レンツォの前妻であった”ローラ・モルテド”とその再婚相手である”ヴィットリオ・モルテド”がブランドの所有者となります。
そして、もう一人の創業者でもある”ミケーレ・タッディ”も間もなくブランドから身を引くこととなります。
このエピソードには諸説あり、元から創業者はモルテド夫妻であったともいわれています。
ブランド名の由来は、”工房”を意味するボッテガと、イタリアのヴェネト地方での創業からとったといわれています。
その名の通り、丁寧な手作業による革製品作りを持ち味とし、『シルクの様』と評される上質ななめし革を用いた編み込みバッグ”イントレチャート”や”ポインテッドヒール”などが人気を博しました。
また、ファッションブランドとしては珍しく、ロゴがありません。
これはブランドのモットーである”When your own initials are enough”(自分のイニシャルだけで充分)から起因しており、個性と自信を尊重する意味があるのです。
それまでもハイブランドとしてあった”ボッテガ・ヴェネタ”ですが、更に人気を高め、より広く知られるようになったきっかけは2001年、”グッチ・グループ”への参加でした。
その後、クリエイティブ・ディレクターとして”トーマス・マイヤー”を起用。
”ソニア・リキエル”や”エルメス”でデザイナーを務めていたトーマスは、今度もその手腕を発揮し、ブランドを更なる高みへと昇らせました。
また彼は、前述したモットーを尊重し、ブランドロゴを出さず、素材と技術、そしてセンスにこだわったコレクションを展開。
トーマスの就任後からブランドはロンドン、パリ、ミラノ、ニューヨークなどの大都市に店舗をオープンさせ、大成功。
2000年以後から10年前後で売り上げを800パーセント上げたとされています。
2016年には、ブランド創業50周年、トーマスがデザイナー就任15周年の節目を迎えました。
その後も毎シーズン、ブランドは個性と頑なな伝統を重視したコレクションを発表し、世界に発信し続けています。